2022年7月1日発売 土井中 照著『ハイカラ漱石』
価格:800円(税込)

 本書は、明治という時代と共に歩んだ漱石のロンドン仕込みのファッションやその仕立て方、日常のおしゃれなど、漱石がハイカラであることを、エピソードや作品を通じてご紹介していきます。

 第一章は「ハイカラ漱石の洋服」と題して、洋服にまつわるエピソードを取り上げます。第二章は「ハイカラ漱石の身だしなみ」と題して、漱石のおしゃれにまつわる身だしなみや服飾品の歴史を語ります。第三章は「漱石のハイカラものがたり」として、漱石の珍しいおしゃれグッズの数々をご紹介します。第四章は「漱石作品とハイカラ」と題して、漱石の小説に登場するおしゃれアイテムを提示していきます。第五章は「漱石の通ったハイカラ店」として、漱石が通ったり、小説に登場させた店をご案内します。
 本書は、これらの研究により、ハイカラな衣服に隠された漱石の真実が、浮かび上がってくることを狙っています。

土井中 照(どいなか・あきら)
出身地の四国・愛媛に関する歴史、民俗に詳しく、数多くの著作を上梓。近年は、夏目漱石や正岡子規らの文芸研究に軸足を置き、元デザイナーのスキルを活かして漫画やイラストを多用した研究書も人気。その豊富な知識から「愛媛の雑学王」と呼ばれ、キー局、準キー局を含むテレビ・ラジオ番組にも多数出演。

《得意分野》
□明治文芸(夏目漱石、正岡子規)研究
□民俗系・歴史系研究
□食文化研究

まえがき
 漱石がハイカラになった理由

  漱石は正真正銘のハイカラ/漱石のおしゃれな家系/コンプレックスはおしゃれの原動力/もうひとつのコンプレックスは低身長/本書の構成

第一章 ハイカラ漱石の洋服

 学生服:外国人教師から錠前屋に間違われた服
  夏の制服は欧米の労働着?/大学名の変遷と制服・制帽の制定/漱石作品に登場する学生服・制帽
 燕尾服:正装の借し貸り
  燕尾服は夜の正装/ロンドンで購入した燕尾服/燕尾服の貸し借り/満韓旅行で借りようとした燕尾服/漱石作品に登場する燕尾服
 フロックコート:ロンドンで購入した礼服
  イギリス仕立てのフロックコート/新調のフロックコート/見合いと結婚式でのフロックコート/漱石が譲ったもう一着のフロックコート/漱石作品とフロックコート
 モーニング:就職に失敗した思い出の服
  学習院への就活で誂えたモーニング/よそ行き着になったモーニング/漱石作品とモーニング
 背広:教師時代の制服的存在
  漱石のトレードマーク服/松山中学時代の背広/熊本時代、漱石は教授服を着ていた/イギリス留学前に誂えた背広/イギリスでの背広着用の失敗/帰国後の背広の着こなし/明治天皇の大喪の時に着た背広/漱石作品に登場する背広
 オーバーコート:コートもマントも外套
  カーライル好きの漱石と外套/漱石の日常と外套/漱石の親友・中村是公の外套/外套の歴史/漱石作品と外套
 インヴァネス:洋服だが和服にも合わせる
  和洋折衷の防寒着/原稿料でインヴァネス/漱石のインヴァネスはラッコかカワウソ?/漱石作品とインヴァネス
 チョッキ:漱石愛用のチョッキの数々
  写真とエピソードに残るチョッキ愛/漱石作品とチョッキ

第二章 ハイカラ漱石の身だしなみ

 髪:漱石のイチバンのこだわり
  猫が見た苦沙弥と人間界の髪型/お世辞に弱かった漱石/漱石作品と男性の髪
 髭:漱石のトレードマーク
  髭の形でわかる漱石の年齢/カイゼル髭とコスメティック
 靴:足元のおしゃれこそ究極のハイカラ
  靴が日本に入ってきた頃/漱石作品と靴
 ネクタイ:洋行の思い出と友人たち
  時代が変わるときの黒いネクタイ/友人・門人のネクタイの無作法/漱石作品とネクタイ
 カフス:背伸びをしたおしゃれの象徴
  寅彦土産の金のカフス/漱石作品とカフスボタン
 鞄:ハイカラ旅行の必需品
  洋行で用いた鞄の貸し借り/お気に入りの鞄/漱石作品と鞄
 ハンカチ:婚約時代と出国の思い出
  漱石と鏡子の見合い/漱石との別れのハンカチ/漱石作品とハンカチ

第三章 漱石のハイカラものがたり

 万年筆:晩年の原稿に重宝したオノト
  漱石の万年筆の変遷/晩年愛用したオノトは、魯庵から百間へ/万年筆を受け継いだ内田百間
 電話:あってもなくてもいい存在
  電話と漱石/漱石の電話トラブル
 ピアノ:『三四郎』の印税で購入した楽器
  漱石がピアノを買ったという謎
  漱石の音楽教師への怒り

 蓄音機:声を吹き込むか? 音楽を聞くか?
  蓄音機に吹き込んだ漱石の声
  友人の妻に聞かせた蓄音機

 活動写真:歌舞伎嫌いの漱石の無関心
  漱石は活動写真嫌い
  漱石の日記に登場した活動写真

 靴の木型:靴の形が崩れないように
  本物のハイカラのみが持つ木型
 オートストロップ:新し物好きの漱石の証明
  漱石の髭剃りの秘密兵器
  漱石の新しいものへの挑戦

 エキザーサイサー:スポーツマンの証明
  筋トレをしていた漱石
  漱石の好きなスポーツ観戦

第四章 漱石作品とハイカラ

 吾輩は猫である
  原稿料で買ったパナマ帽/海老茶袴は女学生の俗称/仕立ての悪い服と山高帽
 坊っちゃん
  坊っちゃんはいつも絣の服を着ていたか?/教頭が赤シャツを着用する理由/松山時代の赤いタオル
 虞美人草
  金時計と銀時計、ニッケルの時計/金ぶち眼鏡は秀才のしるし
 坑夫
  赤い毛布は田舎者のしるし/漱石も被ったことのある赤毛布
 三四郎
  男心を惑わせるヘリオトロープ/襟巻はボーアかショールか
 それから
  シルクハットで鰻を食べる/フランネルがイメージする病弱/デパートに先駆けた勧工場の陳列販売
 門
  工プロンは職業婦人の代名詞/几帳面な漱石が好んだ石鹸と歯磨
 彼岸過迄
  魔法の杖代わりのステッキ/探偵もどきの目印になった黒い中折帽
 行人
  まだ珍しかったエレベーター/まがいもののアクセサリー
 こころ
  鎌倉由比ヶ浜は海水浴のメッカ/先生の奥さんの白粉は仮面なのか
 道草
  蝙蝠傘には禍々しいイメージもある/見世物のような子供の洋服
 明暗
  子供用の靴と間違えそうなキッドの靴/探偵が被りそうなハンチング

第五章 漱石の通ったハイカラ店暗
 『虞美人草』と三越の深い関係/妻・鏡子と白木屋でのお買い物/漱石と銀座資生堂/漱石と天賞堂/漱石と白牡丹と白粉/漱石と京都のゑり善/漱石の髪と喜多床


 

 


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